人生の振り返りと新しい生き方について【part6:呪縛霊】

ネイチャー兄さんのテキトウ日記
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人生の青年期まで遡る。
今思えば、僕は学生時代に自分としっかりと向き合えていなかったんだと感じる。
いつも考えていたことは、こんな感じだ。
僕は長男だからしっかりしなきゃ。良い子でいなきゃ。裕福とまでは言えないけど不自由なく育ててもらい、親戚にもお金持ちがいてクルーザーに乗っけてもらったりして優雅な休日を過ごしたり。
僕もそんな大人になるのかな、たくさん稼いで豪華な暮らしをしていくのかな。
なんとなく、そんな想像をしていた青年期から僕にある想いに縛られていくことになる。

それは、小学生高学年かそこあたりの担任の先生からいわれた一言だ。
「あなたは将来偉くなる素質がある。どこかの社長さんになって組織を引っ張っていく、だからいましっかりと勉学に励みなさい。」ぼくはそうゆう人生を歩んでいくんだ。将来が決められているかのような錯覚に陥り催眠術にかかったかのように心の奥底にずっとその言葉があった。
その言葉を意識していたわけじゃなかったが、中学ではクラスで一番をとるために必死に勉強し、常に優秀な成績で中学3年間を過ごす。その頃は釣りに夢中の時期で毎日のように多摩川に行ったり始発電車で茨城の土浦で夜中まで釣りし続けたりと、まだまだ自然のなかで過ごすことも多く、めちゃくちゃ遊んでいるのに勉強もスポーツもできたから、女の子にもモテた。いわゆる初めてのモテ期でもあったこともあり、チヤホヤされていたのも理由だと思う。こんな感じでいい波に乗ってればいつのまにか偉くなり、うまいこと人生進んでいくんだろうなんて感覚があった。

そんな呪縛霊が知らず知らずのうちにずっと取り憑いていた。

高校生活では進学校に入学したこともあり、周りのレベルの高さは桁違い、スポーツも勉強も出来て当たり前がゴロゴロいて、モテることもなくなり挫折を味わう。その頃将来何になりたいかをぼんやりと考え始めたが、修学旅行で人生初めて飛行機に乗った時の感動でパイロットになりたい!と思うようになる。しかしその後の大学でも将来に向けた具体的な大きなアクションをすることもなくチャラチャラした毎日を送ることで中身のない人格に成り下がってしまった。周りは自分を見つめ直し真剣に将来を考えているのに、なんとなく僕は他人事のように惰性で生きる日々。周りの皆んな一流企業に就職が決まるなか、ぼくは夢だったパイロットになんか擦りもせず、聞いたこともないマイナーの中小企業に就職することになる。一流企業に就職が決まった友達に対して、「この小さい会社ですぐに社長になるためにここにした」と訳の解らない言い訳をしていた。何をしたいのか、どう生きたいのか、それを自分と向き合い本気で考えることをしなかったのだ。

例の呪縛例はまだ取り憑いていた。

会社の同期は皆僕の大学よりも一個も二個もランクの低い大学出身でなんとなく周りの人間を下に見ていた、というより自分が優位に立っていたいという思いは常にあった。きっとそれが理由で同期ともなんとなく距離ができてしまい、入社当時はよく遊んでいたのに、いつの間にか誘われることもなくなる。優秀な人は周りにたくさんいるのになんだか認めることができず、自分の方ができる人間だ、という思い込みからきっと気付かずに人を傷つけ、故に人間関係がうまくいかずに、いつのまにか部下や上司でさえ「気難しくて話しかけづらい人」というレッテルが付いてしまっていた。

まだそんな痛い自分には気づけていない当時、結婚するべき時に結婚し、子どもが生まれ、周りからは順風満帆に見えていただろう。しかしそんな環境のなかでは長続きすることも難しく、ストレスの毎日に自分の心が少しずつ削られていき、入社から12年と少しを過ぎたあたりで破綻、退職することになる。

いや、それは今まで背負ってきた重い重い呪縛霊からの解放をもがき苦しみながら模索していた結果な
のだと思う。

自分を解放するために、退職する前の休職期間で訪れた西表島での1人旅はまさにそのための行脚であり、呪縛霊からの解放のための儀式であったのだと思う。

僕は自分の足で生きる意味について理解し、行動に移すまでとても時間が掛かってしまった。
学生時代に自分を知るための教育や教えがあったら、と思うこともある。しかしそれを悔いて今が変わるのか。他力本願、自分が甘やかされて生きてきた代償だ。自分を受け入れてこれから変えていけば良い。そう思うようになった。

西表島から戻り、さっさと退職手続きをしてからは忙しい毎日を送るようになる。

退職した時はその先も何も決まっていなかったのに、何かに導かれるように、まるで本来の自分を取り戻すように意思というより感覚や直感で進み、行動力は増していく。たくさんの新しいことにチャレンジし学び、その後の価値観形成につながっていく経験をする。2021年、36歳くらいのことだ。

すでに述べた地域の緑地保全活動から始まった自然への探求は、次に、地域の自然や環境を守る社会貢献活動をしているNPO団体に所属する。その取り組みの一環で協働で農に取り組みながら栽培技術を学び、自分の区画も与えられ、自分が食べるものを自分で育てることを本格的に始めた。自分で育てる野菜の大変さと、そのおいしさの感動を知る。

次に冒険遊び場という子どもの遊び場と居場所を提供する活動のボランティアを始めた。公園のような決まりきった遊びでなく、禁止事項がない自然のなかの遊び場だ。秘密基地を作ってもよい、怪我をするくらい高い手作り遊具から飛び降りる度胸試しをしても良い、焚き火をして雑草スープを作っても良い。そんな場では、今までのアウトドアやキャンプの経験が役立ち、すぐに「仲間」と認めてくれた中学生には、ちょうど着ていた抹茶色の服から呼び名は「まっちゃ」となる。

そんな活動をしていると、自然体験活動の資格をひとつくらい持っておいた方が活動の幅が広がると感じ、資格取得のためのワークショップに参加したことがきっかけで、子どもキャンプ事業のNPO団体でボランティアを始める。ここではキャンプそのものを研究、体系化し、そのキャンプを提供するために厳しいトレーニングを積み、すべて自分ごととして考え物事の本質を見抜く洞察力と、自分を表現しながら組織として活動するための行動論を鍛えられた。
いま何をやるべきか、何が求められているのか、安全を確保するための予知、気の緩急などまさに体育会系の部活のような経験をする。

これらの活動の詳細はまた後の記事にするとして、そのような新しい経験をしていくうちに、自分はどうして生きたいのかを自然と具現化できるようになってくる。自分はどうありたいかを考え、社会や未来にどのように貢献したいのか、自分にとって自然体でいられるのかどんな環境なのか。

このような活動をしているうちに、今後の人生を歩む3つの分かれ道を選択することになる。

一つ目は、今までのキャリアを生かした航空宇宙産業に戻る道。タイミングよく、ずっと憧れだったJAXAの中途採用で自分の経験を活かせる職種の募集があり、応募したところとんとん拍子で最終面接まで進んでいた。
二つ目は先ほどの子どもキャンプの団体への就職。子どもキャンプ事業のリーダー、マネージメントをしてもらえる新たな人材を募集しており、僕が適役であるから是非ここで働かないかというお誘いだった。待遇も満足できるもので、将来的には新たな事業を任せてもらえるとの話をいただいた。
三つ目は、これもNPO活動の農活動をしているときに聞いた話。ここのNPO団体の働きがけで市内に農業公園なるものが出来たようだ。調べたところその農業公園は近年しかも近くに開園されており、その運営を委託されている会社ではアルバイトだが畑の管理作業や子どもの農体験イベントを提供しているようで、ちょうどそこで人材を募集しているとのこと。

さて、僕はどの道を選んだのだろうか。

一つ目の憧れていて安泰間違いなしのJAXAは、得意なのだけれど本当にやりたいことなのか?との問いに結局は最終面接辞退の連絡をする。
二つ目の子どもキャンプも、内容は魅力的だが、対象がとても限定的で、なんだかボランティアをこき使いながらNPOでありながら金もうけをする構造が見えてしまい自分の目指す先ではないと感じて辞退する。
選んだのはただのアルバイト募集だったが、農を主軸としてどんな子どもたちに対しても自然体験を提供している農業ベンチャー会社だったのだ。

この選択はいま思っても呪縛霊からの解放だったように思う。自分の足で行きたい道を切り進む大きな一歩だった。なにが本当にやりたいことなのか。給料や待遇じゃなく、どんなことをして社会に貢献したいのか。自分自身と真剣に見つめ合い、欲という誘惑を断ち切り、人生の道を選ぶ瞬間であった。

さまざまな活動を通して選択肢を広げ、経験を通して考え、悩み、自分や社会向き合うことが出来たから選べた道だと思う。
結果としてその選択が今のガーデンの教師に繋がったのは長くなるので別記事にするとして。
自分の考えを信じ、なんとなくでもこうでありたいという自分軸を持っていられること、そしてそれを実際に行動に移せる場や、周りの環境はその先の選択を狭めることも広めることだってできること。

そしてなによりも呪縛霊も、雑念も、欲がなくなり、何かと干渉することがないときにこそ進むべき道が見えてくるのだ。それは一生のうちにでも数少ない一瞬しか見えない小さな穴なのかもしれない。しかしその一瞬を見定め、曇りのない目で自分の意思で決断し進めたことは大きな誇りでもある。

誰かのため、お金のため、家族のため、より自分に正直であることが結局は全て良い結果をもたらしてくれる、という出来事を書いてみました。

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