【材料費1300円】木製の自作コンポストで放ったらかし生ごみゼロ生活をする〔No.2:無料で基材作り編〕

自然に生きる暮らし術
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前回のブログでは、コンポストに必要な容器DIYを紹介しました。

今回は、コンポストに必要な土壌作り、基材作り、いわゆる種菌を育てて生ゴミを分解する環境づくりをするための準備を紹介します。

種菌(基材)作りをする

コンポストボックスができたら、コンポストの中身作りをします。
生ゴミを分解するのに必要な菌が快適に過ごせるような環境作りをします。
発酵液と菌床をそれぞれ準備していきます。

コンポストの土づくりは高倉式コンポスト手法を参考にしました。
メリットとしては身近にある発酵菌を有効利用し、安くて早く生ゴミを分解され、しかも匂いも少ないという方法でした。
発酵菌を多く培養することで、生ゴミが腐って匂いが出る前に発酵菌の力で分解してしまう!というものです。
通常のやり方よりも少し面倒かもしれません。しかし最初にこれだけやっておけば、あとは放ったらかしコンポストが完成するはずです。。


高倉式コンポストの参考リンクです。このPDFの説明が分かりやすいです。

https://kitakyushu.iges.or.jp/publication/Takakura/Takakura%20Compost%20Manual(J).pdf


土は近くの裏山からホクホクの腐葉土がたくさん手に入るため、これをコンポストの1/3程度準備します。

次に、もしあれば米糠を準備します。
実家に精米機があるため、精米後の米糠をいただきました。
もし米糠が手に入らなければ、なくてもOKです。もみ殻でも代用可能です。けれどそんなの自宅にありませんよね。
たまにコイン精米機で無料で、あるいはお米屋さんで格安で入手することができます。
もし米ぬかを入れない場合、腐葉土を2/3まで増やしてください。

種菌(基材)作りその①発酵液を自作する

コンポストには発酵菌の菌床作りがとても重要です。
通常はピートモスなどの発酵促進剤を使うらしいのですが、これも費用がかかるため、無料でできる方法を試します。
そこで、僕は自宅にある発酵食品を使ったレシピを紹介します!

一般的な家庭に必要な30〜40Lサイズのコンポストに必要な発酵液のレシピ

用意するもの:4Lのペットボトル。無ければ2Lのペットボトル2つか、封ができる容器
材料:水道水3L砂糖10グラム、納豆10粒くらい、味噌小さじ1、ヨーグルト小さじ1、ヤクルト1/3くらい

発酵菌は一種類より多種類の発酵食品を混ぜると混ぜると効果的です。
発酵食材であれば自宅にあるものなんでも構いません。そのほかに代表的なものとして、酒かす、キノコ、イースト菌などがあります。

手順① 容器に全てを混ぜ合わせる。
手順② なるべく温度が30度前後をキープして、暗所で保管。
夏場はそのまま放置で良いですが、気温の上がらない冬場は、お風呂上がったあとの残り湯に付けておくとか、一緒に抱いて寝るとか、コタツや電気毛布をまぶせておくようにして下さい。
手順③ 3〜5日そのまま置いておき、甘酸っぱいアルコールのような匂いがしたら成功です。

発酵液がだんだんと白濁色になってきます。毎日匂いを嗅いで確認をして下さい。
また、発酵時に膨らむ空気を抜くために蓋は緩く開けておいて下さい。

こんな感じの、乳酸菌の良い匂いがする発酵液の完成です。

種菌(基材)作りその②菌床(土壌)作り

菌が快適に住めるような環境を作ります。

一般的な家庭に必要な30〜40Lサイズのコンポストに必要な菌床のレシピ

用意するもの:大きめの段ボールと発酵液
材料:腐葉土10L、土10L、米糠8L(2kg)、

手順① 段ボールに全てをよく混ぜ合わせる。
手順② 密閉して、通気性の良い場所で3日ほど保管しておく。
手順③ 土の表面に白い菌が出てきたら完成。

僕は近くの裏山から、ホクホクの腐葉土と腐葉土になりかけの落ち葉、それとプランターの余った土、米糠を2kgほど投入しました。
容器が約54Lに対して、種菌(土壌は)大体25リットルくらいになりました。

米糠は実家の精米機から少し、そして近くの米屋さんから1kg 100円で2kg購入しました。

 

米糠やもみ殻などがあった方が短時間で生ゴミが分解されますので、入手できる方は一緒に混ぜて下さい。

発酵液と菌床ができたら、混ぜ合わせます。

不要な段ボールなどに入れて水分が約40〜60%になるまで調整します。目安としては手にとって握ってみて、水分が垂れないけど固まる程度です。
水分が足りなければ水道水を追加して下さい。

                          

そのほかに、木屑やのこ屑ピーナッツの皮、小麦粉、鳥のエサ、園芸用の培養土などでも代用できますよ。

種菌(基材)作りその③発酵させる

発酵液を菌床を混ぜ合わせて数時間で、すでに暖かくなってきました。発酵が始まりました。

翌日、見てみると湯気が出るほどに熱くなっていました。お風呂のような暖かさです。
50度くらいになっていそうです。ひとまず成功したようで良かった。


虫が入らないように通気性の良い布や不織布シートなどで覆います。
この状態で約三日程度置いておきます。

三日程度立ちますと白い菌が付着してきたら完成です。

ほら、こんなに!


ホクホクで湯気が立ち、温度計で測ってみたら60度以上になっていました!
これで発酵菌が十分に行き渡りました。
生ゴミをコンポストにする素地が完成です。

いよいよ運用開始、と思ったら‥色々と問題発生

まさかの妻からのダメ出しをくらいました。

玄関に近い花壇の場所は匂いが心配だから嫌だ、別の場所にしてくれ!と。

完成してから言われてヘコみました。
他にちょうど良いスペースもなく、仕方がないので2階のベランダに置くことにしました。
なので、土壌つなぎ仕様は諦めて、底板を追加する改造を行いました。
6枚セットで買っていた杉板のあまりが丁度よく使うことができました。
将来的に、土壌つなぎに戻すことができるように、底板はビスではなく釘打ちにしました。

角材の飛び出ていた杭はカットしてから底板にボンドで貼り付け。通気性を良くするために地面から浮かせる構造にします。そして、蓋は開閉を楽にするために蝶番も取り付け。

ひとまず、これで完成です。

さらに、もう一つ問題が。

柿渋を塗って一時間後くらいに組み立てたのですが、杉が完全に乾燥したら収縮していました。それぞれの板材に隙間が1〜2ミリほどできていました。
まあこれはこれで通気性と調湿性が良くなるので悪くはないですが、問題なのが土がその隙間から漏れてきてしまうことです。

庭だったら気にしなかったのですががベランダに置くとなると土で汚したくありません。
なので、麻袋を入れてその中に土を入れるか、ボックスの内側に不織布を貼るかを考えました。
麻袋を試してみたのですが、ぴったりなサイズではなく、生ゴミを投入しかき混ぜる時も邪魔になってしまうので、不織布をボックスの内側に貼ることにしました。
このようにすれば虫が入ってくることもありません。

ちなみに候補だった麻袋は近所のコーヒー屋さんでタダで入手しました。
この麻袋はコンポストの熟成の時に保管しておく袋にしたいと思います。

コンポストの完成。生ごみゼロ生活の始まり

全ての準備が整ったら、すでにある土壌に少し穴を掘ってからコンポストボックスを設置し、基材の発酵した土を投入してよくかきまぜて完成です。

一日に出た生ゴミを細かく刻み、牛乳パックの上で翌朝まで乾燥させてから朝のゴミ出しのタイミングでコンポストに生ゴミも投入して種菌をかき混ぜます。

ブロッコリーなんかも、結構捨てるところがあって生ゴミ量が多くなりますよね。。
これを刻んだらコンポストにポイです。

生ゴミは鳥や豚の骨以外のものは何でもポイポイと入れていくようにしました。
動物性の生ゴミを入れると匂いが出てしまうことを心配されますが、毎日のコーヒーかすや茶葉、レモンの皮が消臭効果と虫除けになるため、あまり気にせずボンボン投入しています。

匂いの元となる雑菌が繁殖しなければ、通常は発酵菌により1〜2日で生ゴミの形は分解されてしまいます。腐る前に発酵する。これが高倉式コンポストのメリットです。

毎日、ゴミ捨てのタイミングで、土をよくかき混ぜて酸素を取り込ませてください
また、生ゴミは小さめに切り刻んでおくと、より分解が早くなります。

夏場など暑くなる時にどうしても虫が湧いてしまう可能性があります。
その対策として、不織布などでカバーさせておくこと、ハッカスプレーなどで虫除けをすることで対策ができます。

コンポストの中が溜まってきたら

生ゴミを投入して数ヶ月で(家庭なサイズによって異なります)満タン近くになるか、あるいは攪拌しづらくなってきたら半分程度残して熟成させます。

通気性の良い段ボールなどに入れ、蓋をして密閉させます。
その状態で2週間以上熟成したら堆肥の完成となります。

半分になったコンポストは引き続き生ゴミを投入します。
場合によっては、また腐葉土や米ぬか、発酵液を追加して投入すれば、また発酵菌が活性化されます。

手軽にゼロ・ウェイストに一歩近く

生ゴミを捨てなくなってから、今までの可燃物は生ゴミが半分以上を占めていたことに気づきました。
今まで週に2回、10Lの可燃ゴミを捨てていたのに、今は週に一回以下になりました。
ゴミ袋は有料ですので、そのゴミ袋費用も削減でき、ゼロ・ウェイストにもつながります。
もちろん、ゴミ捨ての手間だって半分になりました。

生ゴミって基本的に水分を多く含んでいます。その水分を含んだゴミを燃やすのに大量のエネルギーが必要になるんですよね。
ゴミを捨てた先、焼却工程まで含めて生ゴミがなくなれば環境的にも素晴らしい取り組みであり、持続可能な生活にすることができます。

熟成した堆肥は有機の野菜や果物作りの土壌にもぴったりです。ホームセンターで肥料を買う必要すらありません。

作った堆肥で、お庭やベランダで元気な野菜を収穫することができるのです。
そして、その野菜達はまたコンポストに入り肥料となる。

全て循環され、自分たちで無駄がなく効率的に食物サイクルを回すことができるのです。素晴らしいと思いませんか。

材料費たったの1300円で経済的にお得で環境的にサステイナブルである

今回作成したコンポストボックスの材料費は1300円ほどでした。工期としては半日あれば完成することができます。
また、種菌作りに必要な費用はタダです。

工具がなくても、ホームセンターでは数十円でカットしてれますから、電動ドライバーとビスさえあれば出来てしまいます。

作ってしまえば永久的に生ごみゼロ生活を続けられ、ゴミ袋代や肥料代が削減されます。

マンションなどに住まれている方であれば、密閉式のコンポストもありますし人それぞれの環境に適したやり方が必ずあります。

自分が楽になるから、ストレスフリーな生活ができるから。という理由で良いです。

毎日ゴミがたくさん出てストレスを抱えている方。
利用できそうな野菜くずや皮を捨てるのに嫌悪感を抱えている方。
少しでも、自宅で有機野菜を作ってみたいと考えている方。
自然環境を守るため何か自分で出来ないことはないかと考えている方。

理由は何でも構いません。まずは出来ることから行動してみて下さい。

それが結果として自然にサステイナブルな、持続可能な生き方に少しずつシフトしていくことにつながっています。


もし虫が発生してしまったら‥

コンポスト運営していくと切り離せないのが虫の問題です。
虫が発生してしまったときの対策も載せましたので是非合わせてご覧ください。

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