【その年、地球が変わった】パンデミックで自然界では命を吹き返していた話

自然に生きる暮らし術
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Apple TV+のオリジナルビデオである「その時、地球が変わった」という1時間弱のドキュメンタリーを観ていろいろと衝撃を受けました。
世界のコロナウィルスによるパンデミックにより、地球がどのように変化したのか記録した映像です。
僕たちのこれからの生活様式に対して訴えかけてくれる非常に良い番組でしたので是非、動画を観られない方も良ければ僕のブログで共感いただけたらと思っています。
ネタバレありなのでご注意ください。

パンデミックによる地球への恩恵とは

「その時、地球が変わった」というドキュメンタリー映画では、世界各地の自然や動物たちが、コロナ以前と比較したらどのような変化があったのかを美しい映像で紹介しています。

サンフランシスコの鳥たちの声が聞こえる

コロナウィルスによるロックダウン直後から世界中の街は静まりかえりました。ゴールデンゲートブリッジの交通騒音は最大で70%減少し、1950年代の交通量まで低下しました。代わりに別の声が聞こえてきました。それはサンフランシスコのミヤマシトドという鳥の声です。
カリフォルニアの鳥たちは普段交通音でかき消されていた交尾期の鳴き声も届きます。そして、ロサンゼルスの大気汚染は過去40年間で最高の状態となりました。

インドのヒマラヤ山脈が見えた

インドでは長年大気汚染に苦しまれ、都市部では常に排気ガスにより空が濁っていました。そんなインドにおいても人間の行動制限により都市の大気汚染は改善し、自宅から見えるはずがなかった美しいヒマラヤ山脈が見えることに驚愕しました。

フロリダのアカウミガメの居場所

各地で延長されるロックダウンにより渡航禁止令により世界の航空旅客数は90%減少し、海外への旅行者が1億4000万人減少しました。

アメリカのフロリダでは、絶滅危惧種である生物の好機の繁殖時期となります。
ウミガメはビーチで産卵する必要がありますが、今までは多くの観光客のため、ウミガメの居場所が奪われていました。
しかし今年は違います。アカウミガメが産卵のシーズンにこんなにも静かなビーチで誰にも邪魔されず安心して産卵することができることが奇跡なのです。
カメの産卵を妨げる問題は人間の干渉といわれてきましたが、今回その影響の大きさを測定することが出来たのです。
現在に至るまで、アオウミガメの巣作りの成功率は40%まで低下していましたが、人のいなくなったビーチでは61%まで上昇しました。これは目覚ましい変化です。

アラスカのザトウクジラの交信が活発に

アメリカ東南アラスカの海は今までになく静かになりました。
ハワイから移り込むザトウクジラはクルーズ旅行による大型旅客船によるスクリュー音でクジラ同士のコミュニケーションが奪われていました。
以前より25倍静かになった海ではクジラ同士の交信が増え新しい手法に変化したのです。
母子の会話が増え、はるか遠くへの交信が可能となったことで子どもと別行動をする光景が見られたのです。母親は子どもの声が聞こえるので安心して遠出が出来るようになりました。
またクジラ同士でのコミュニケーションができるようになったことで安心し、チームでの狩りが以前より頻繁になったのです。場所と時を問わず自由に暮らせるようになりました。

アラスカに限らず、ロックダウン後3ヶ月で国際輸送船の往来は17%減少し海洋生物の暮らしが豊かになりました。
ニュージラーンドのイルカの交信が3倍に増えカナダ バンクーバーのシャチは交信をすることで効率的な狩りができるようになりました。

南アフリカの街で動物たちが徘徊

バー、レストラン、カフェは営業停止し、廃墟となった街では90%の人通りがなくなりました。
人が消えた都会の街には動物たちが縦横無尽に行動し始めます。
南アフリカではガソリンスタンドにきたカバ、イスラエルの公園にはたくさんのジャッカル、チリではピューマまでも歩道を徘徊するようになりました。

日本の奈良で空腹な鹿が取った行動

そして日本の奈良では、普段では奈良公園で人間から餌(鹿煎餅)を貰って生活をしていた鹿たちは、観光客が居なくなると餌がなくなってしまいます。空腹な鹿たちはそこで昔の生活を思い出したのです。仲間たちを引き連れ、街を飛び出し大通りを歩き見つけた先は空き地の新鮮な草でした。年長の鹿たちはかつての牧草地を覚えていたのです。
鹿たちの食事の変化により健康になっただけでなく鹿を殺しうるプラスチックのゴミが減ったのです。
人間は動物に恩恵を与えるものの、いない方がいいことも多いのです。

サファリツアーが無くなった地でヒョウの習性が変化した

人のいない期間が長くなるほど動物は大胆になります。
アフリカでサファリツアーが中止されると観光客が泊まるロッジに動物たちが陣取ります。モンキー、インパラ、ヒョウまでが普段近づいてこない人間の領域に迫ってくるのです。
日中に大胆な行動を取ることはないと思われていたヒョウが堂々と現れるのです。
ヒョウは60%の縄張りを人間に奪われ狩りに苦労しています。しかし今は状況が変わり、習性も変化し昼に狩りを始めたのです。

世界各地の水質汚染が改善

パンデミック宣言から6か月が経ち、30億人以上の行動を制限しました。
人間が順応しようとするなか、自然界の再生は続きます。
インドのガンジス川では水中の酸素量が80%増加し、モロッコの大西洋岸では最悪だった水質が最高レベルまで改善しました。
人間の外出自粛が長く続くほど動物は恩恵を受けています。

南アフリカのケープペンギンが双子の子育てに成功

南アフリカのケープタウンではケープペンギンは今まで早朝に子どもための餌を捕まえても、ビーチの観光客に道を塞がれ日没まで赤ちゃんの元には戻れませんでした。しかし今年はビーチに人がいません。
自由に行動できるようになり、すぐに子どもの元に戻り餌を当たることができ、2度目の漁にいくことができるようになりました。
その結果今までできなかった双子の子育てにも成功するようになりました。
今までペンギンが苦労してきたことが改めて認識できた瞬間です。

ケニアのチーターはライバルに気づかれず母子の会話ができた

ケニアのマサイマラのチーターは最速のスプリンターでありながらライバルのライオンやハイエナに子どもを襲われてしまいます。
しかし、観光客が乗る車のエンジン音、騒音がなくなり静まりかえったサバンナでは、ライバルに気づかれずに小さな声でも母親に届くようになり安心して子どもから離れ狩りをするようになります。
人間に邪魔されることがなくなって子育ての成功率も上昇したのです。

人間たちが苦しめられている間に起きたたくさんの良いこと

人間が困難を強いられる中、動物たちは生存率の向上に大盛り上がり。
世界中の生物が人間がいなくなることへの恩恵を受け生存率、繁殖率を上げているのです。ロックダウンから12ヶ月後、自然界が目覚ましい変化を遂げました。
そして世界の化石由来による二酸化炭素杯排出量は6%以上減少したのです
人間たちが生産することを少しだけ我慢すれば、自然界の環境が劇的に変化し改善することが出来たのです。
多額の資金を投入して環境問題に取り組んでいる最中、コロナウィルスによるパンデミックが環境問題を即時解決する方法となってしまったという皮肉な話です。

この事実から何を学び行動すべきか

では僕たちはこの事実から何を学び、これからどのような行動を取るべきなのか。

「コロナが落ち着いたらコロナ前の生活に戻りたい」

そんな思いはあるかもしれない。今までのように飛行機に乗って海外旅行したい、綺麗なビーチへ観光に行きたい、思いたったときに車でドライブに行きたい、外食をしたい。
しかしその全ての行動において、知らず知らずのうちに自然界に少なからず影響を与えてしまっている事実に気づきましょう。
飛行機に乗れば大量の石油エネルギー消費しCO2を排出する。ビーチに行けば本来そこで産卵したり子育てをしている動物たちの脅威になるかもしれない。車に乗れば騒音と大気汚染を生み出す。外食をすればそのサービスを提供する裏には多くの資源や輸送に掛かる人や車の移動が生まれる。

人びとの生活を維持しながら、環境への影響を最小限にする行動は何でしょうか。
その意識を持っていることが重要だと思っています。
このドキュメンタリー映画では、少なくとも人間は意図していないところで自然へ大きな影響を与えていたことを学ぶことができました。
自然と共存、共生するために「従来の生活様式」に戻るのでなく、「新しい生活様式」に移行すべきときだと考えています。

自然と共生するためのインドの新しい試みとは

この映画は自然との共存を模索し長期的な解決に至った例も紹介されています。

インドの人は希少なアジアゾウとの共存を始めています。
本来の生存地の95%は農地にされてしまい、ゾウが食べる牧草がなくなってしまいました。
生きるには作物を食べなければいけません。
今まで人間たちは作物を守ろうと対策をしますが動物との戦いは終わることがありません。
食べ物を探して街まで来るゾウと争い互いに命を落としていました。

そこで新たな試みとしてゾウのための米や草を植え、プランテーションを作りゾウを追い払う代わりに歓迎の儀式を行うようにしたのです。
すると、ゾウたちは田畑を襲うことなくゾウのために栽培した作物のみで満足したのです。
もうゾウを厄介払いしなくてよい、みんな満足している。
ゾウたちが田畑を襲うことがなくなりました。

人間がゾウを愛せばゾウも人間たちを愛してくれる、そんな長期的な解決策を見つけることができました。

ひとりひとりが自然との共生を願い新たな生活を送ること

この数年、皆が苦しい時期を過ごしました。しかし自然界からの立場からしてみると今までずっと苦しい時期を過ごしていたんです。
今が真剣に考えるときです。自然、動物と共存する意識を持って生きること。

そもそも人間界と自然界で世界を分けてしまうことを考え直していきましょう。
僕たち人間は自然の一部であり、自然の生態系の一部であり同じ世界の住民です。
人間が世界の中心であるという意識を捨ててしまえば、少しずつ新しい行動ができるようになるはず。

人間はその気がないのに関わらず自然環境に大きな影響を及ぼしていることを理解し
人間の少しの意識変化が野生動物の命に関わる変化をもたらせることを自然界の変化の速さと多様性が示しています。

少しの工夫で人間も動物も森も空も幸せになれる。共存するという意識で少しの変化が自然界に大きな変化をもたらせてくれる。

将来繁栄するために今こそともに生きていく方法を模索するべきなのです。
それを僕たち人間たちは今、その苦しい時期に何を思うのか。その環境の変化に気づき、自然と共生するための真の生活様式を実行できるのか。

一人一人が少しでも考え、小さなことでも行動にすることができれば、パンデミックが終わっても自然環境は改善され続け、自然から愛される存在になると思っています。それことインドのゾウとの共生のようにお互いが愛される関係性が出来ることで永続的に豊かな環境で生きていくことが出来ると信じています。

コロナによって生活が一変したこと、きっかけを与えてくれたことは地球からのメッセージでもあると思います。
僕たち一人一人がどのように行動できるのかを問われているんです。
きっと今このタイミングで変わることが出来なければ破滅の道に進んでしまうでしょう。
自然界からの苦痛の声に気づき、思いやり、共存する意識をつけるタイミングは今しかないということを、どうか一人でも理解し実践できたらと思って思いを綴っています。

僕たちがいますぐにアクションできること

やり方はたくさんあるし、ひとつひとつすぐにできることを紹介してもしても良いですが、ここではその新しい行動に移すための思考法を教えたいと思います。

それはその行動をすることでどれほどの環境インパクトが発生するのかに興味を持ち自分で調べることです。たったそれだけできっとあなたの行動に変化が生まれるはず。

例えば、ペットボトルのお茶。どれくらいの頻度で買っていますか。
150円払えばどこでも手に入れられるこの飲み物。
この500mlのペットボトル一本を生産するのにどれくらいのエネルギーと資源が消費されるか考えてみましょう。
ペットボトルは原料製造から販売、リサイクルするまでに239gの二酸化炭素を排出している換算になります。これを1日1本飲む場合、年間で87kgもの二酸化炭素を排出しています。


より理解しやすくするために、その排出量の目安と比較してみるのも良いかもしれません。
たとえばガソリンは1リットルあたり2.32kgの二酸化炭素を排出しますし、
毎日テレビを4.5時間観ている場合の年間での二酸化炭素排出量は18.6kgです。
節電や省エネを意識するのと同じように日々の生活においてもその行動ひとつひとつで消費している資源エネルギーや二酸化炭素排出量を知ることができます。

何かを買うにせよ使うにせよ、どれだけの資源エネルギーが使われているのか換算して考えてみるだけでも新しい視点から物事を考えることができるようになります。

大切なことは無理せず継続すること。だからいきなりペットボトルを買うのをゼロに固執するのでなく、ストレスなく継続できるやり方を模索するだけでそれはもう「新しい生活様式」になりうるんです。

できることから、アクションしてみよう!

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