【農が趣味】2年間の市民農園がある生活で変わったこと

自然に生きる暮らし術
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僕の農がある生活はここから本格的に始まったのだ。
気づけば市民農園を借り始めてからもう2年が経ち、契約期間が満了する。
僕の人生の転機の始まりと同じタイミングで市民農園の募集があり、今思えばやるべき時に待っていたかのようなめぐり合わせだったように思う。

結果として今ボクは農に関わる仕事となった。農を通じてこれからの未来を気づく子ども達を指導する生き方を目指し、それが現実になった。全ては2年前のここ、市民農園からだったように思う。

そんなような記事を前回書いたのだが、今回は市民農園でどんなことを経験し、何を得られて変わったのか、メリット・デメリット含め記事にしたいと思う。

市民農園を借りて感じたこと

市民農園を借りて感じたこと①農がある生活が自分に合うのかどうかを体験できる

自分の畑があるという認識があるだけでまるで生活スタイルが変わります。これは続けることで自然と変わっていくと思います。自分や家族の世話だけでなく畑も同類にいつも気になる存在になります。
そこで、あー面倒くさいなと思うのか、それが生活の一部になりえるのか、の体験ができるということです。つまり将来的に田舎暮らしをしたい、自然のなかでスローな暮らしをしたいと思っている人に対してのお試し体験のようなものだと思います。
作付けをしたらお世話するのは自分しかできないし自然は待ってくれません。寄り添って調和し農と時間をともに過ごすことが自然に馴染んでくるのか、苦痛になるのかが分かるとおもいます。

つまり自分に合うのか合わないのか、もやってみて分かることがあると思います。

市民農園を借りて感じたこと②農があることで生活スタイルが変わる

もちろん都会の忙しい生活で、今までの暮らし方をしながら農も両立することはとても難しいですよね。毎日働き詰めで家事育児もして、そこに畑をする時間がどこにあるんだ!と普通はなりますよね。
しかし、市民農園を借りることでそんな生活スタイルを変えるきっかけにもなると思います。
仕事をセーブしたり心の余裕が生まれるような仕事に転職を考えるかもしれない。
何ヶ月もかけて自ら野菜を育て、それがやっと食卓に出て自然の恵みに感謝する、という気持ちを体験してしまうと、なんで毎日イライラせかせかしているんだろう、という気持ちが湧いてくると思います。

ちょっと畑を借りて野菜を育ててみたいな、と思った瞬間はどんな理由であれ自らの生活スタイルを変えたいなと感じているということでもあると思います。育てることの楽しみ、収穫できたときの嬉しさ、自然への感謝を求めるということは結局、日々のストレスから開放し癒やしが必要としていることが多いのではないかと思います。

癒やしを得られたらまたストレス社会に戻って頑張ろう!という矛盾にも気づくきっかけになるのではないかと思います。

市民農園を借りて感じたこと③何でもお金で解決してしまうクセを問いただすことができる

暮らしていくうえで不便だなと思ったらその需要にマッチした製品やサービスを買う。
あの人が持っているあれが欲しいな、これがあれば他人から良い印象得られるな、今日はこれが食べたいな、あれがったら、これがあったら。

欲望は尽きることがありません。バリバリに働きある程度余裕のある生活をすることができると、どんどんと貪欲になり強欲になり、周りにはモノが溢れていても物足りない気持ちになってしまいます。

以前の僕がそうでした。

「欲しいものを探すため、便利なものを探すためにひたすらAmazonぐるぐる見て回る」

そんな毎日でした。
お金があると何でもお金で解決してしまうクセがついてしまいます。それでお金が足りないから、もっと欲しいからと働きまくり売上を上げ昇給やインセンティブのために身を削ることになります。

はい、これが無限地獄です。その働いたストレス解消のためにお金を使う。

一体何のために働いているんでしょう。それを気づかせてくれるものが野菜の栽培だと思っています。

「こんなに手間暇かけて育てた野菜がスーパーで100円で手に入れられるの?」

その驚きから、農について考え生産者について考え、お金の価値ってなんだろうと考え、結果として何でもお金で全てを手に入れていることに疑問を持つきっかけになると思っています。

市民農園を借りて感じたこと④野菜の旬や本当の姿を知ることができる

スーパーに行くと欲しい野菜がいつでも手に入ります。キレイに形の揃った野菜が包装されています。これが実はとても不自然なことだなと知ることができます。
市民農園を始めると冬にピーマンやナスやトマトは出来ないし、キレイに大きさ形が揃ったニンジンなんか獲れないことに気づきます。

人間はその地その時期に穫れる野菜を食べることが自然です。

夏の暑い時にトマトを食べれば体を冷やしてくれるし、冬の寒いときに大根を食べれば体を温めてくれます。これは【身土不二】というマクロビの考えですが、農をしていると自然に気づくことができます。
冬にスーパーに並んでいるトマトを見て、「これは不自然な食べ物だ」と感じることができます。

自然本来の流れに沿って暮らすことで結果として身体のバランスが取れて健康になるのです。

市民農園を借りて感じたこと⑤みんなでシェアする精神がとても素晴らしい

市民農園を借りている多くの人は自分の採れた野菜を貰う機会がたくさんありました。
それこそ毎回、行く度に誰かしかから野菜をもらう経験をしました。
大体は、「たくさん採れ過ぎて自分だけじゃ食べ切れないから」という理由です。
そう言われて頂いたときには僕の野菜もおすそ分けします。

そうです。ここでは自然とGive&Takeの精神がある場なのです。
大事なのは、誰かにGiveしたい!という気持ちが先であることです。普段の生活でそんな気持ちになったことがあるかどうか考えてみてください。

自然があることで、自然からの恩恵を受けることで人は自然と調和し優しくなれるんです。

お陰様で、自分が育てていない野菜もたくさん貰うことができるし、自分の余剰物もシェアすることで喜ばれるし、そんな優しい気持ちになれることが大きな気持ちの変化でした。

市民農園を借りて感じたこと⑥期間が決まっているから、本格的な土作りが出来ない

僕が感じた唯一の欠点であり、市民農園の継続を辞めた理由でもあります。
栽培について色々と学んでいくにつれて土づくりがいかに重要かを感じることができた2年間でもありました。どんな肥料や堆肥を入れるのか、どんな資材を使い土を育てていくのか、という点においては、少なくとも貸し出しされた時から元利用者が何を使っていたのか、化成肥料なのか有機なのかも分からないですし現状でどの程度の肥沃度なのかも分からないなかでスタートし、2年間で返却、となると長期に渡る土作りにおいては効果が分からないまま終わってしまうという点でした。

あくまで市民農園は気軽に土と野菜に触れ合う機会を与えてくれる場であり、知識や経験を積みそれ以上のことをしたい人に対しては不向きになってしまうのかなと感じました。

ということで、多くのメリットがありながら市民農園の契約は今年の1月末で満了、返却という運びになりました。

さようなら、市民農園

平地にして返却のため、まっさらな借りてきたときと同じようになりました。細かい残渣は残っているけどゴミではないし自然に還るのでこのくらいで大丈夫だよね?

2年使って雨風にさらされ続けたスコップは最後の最後で折れてしまい役目を全うしました。
残った大根やニラの根、その他残渣や資材は全て持ち帰ります。
支柱に使っていた竹はここまで腐食していました。自然に還る資材を積極的に利用していました。

市民農園での畑作業はこれで終了となりますが、実は1年前からもう一つ、畑を借りていたのでそちら一本での運用になります。これは市民農園ではなく、地元のNPO団体で借りている畑の一区画を貸してもらう形になりました。こちらは期限が決まっているわけではないので、僕が懸念していた条件的にも良い方向だったので、今後はこちらの畑での出来事を発信していこうと思います。

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